本田カヨ子です。

脚本「じょんがらお浜」について、当時の思いを綴ります。

かつて昭和の時代、お芸居と言えば大劇場で華やかに繰り広げられた名女優さん達の舞台でした。
「とのさまサンタ」の作者もいつしか彼女達におあこがれ、自作の作品が大劇場で上演されることを夢見て、ワープロを打ち続けたのでした。
作品「じょんがらお浜」でした。
当時、両股関節の大手術を施術した私は、「どうせ外出出来ないのなら、大劇場向けの台本を書こう。」と勉強を始めたのがきっかけでした。
初作品が、日本演劇興行協会の作品募集に入選し副賞としての全国１７大劇場のフリーパスを頂きました。
当時は、午後の部と夜の部のかけもちで観劇するかたわら、国会図書館で調べ物をするという忙しい日々でしたが、勉強する事の楽しさでいっぱいでした。
明治座と新宿コマ劇場では、「じょんがらお浜」の上演を検討してくださいましたが、時代の流れはすでに遅く大女優好みのお芸居は若者中心のミュージカルへと移行しつつありました。
華やかな着物姿の主役が演じる恋のお話しに物足りなさを感じる時代となっていたのです。
結果、８万人の観客動員は得られないだろうとの結論に至り、上演は見送られたのでした。

明治座サイトより
http://www.meijiza.co.jp/

Wikipediaより（新宿コマ劇場）
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%AE%BF%E3%82%B3%E3%83%9E%E5%8A%87%E5%A0%B4